中之条町の北部に位置する四万温泉。
『4万の病気を治す霊泉』という言い伝えから”四万”と名付けられたと言われており、草津や伊香保と並んで”上州三名湯”の1つに数えられています。
また古くから『草津の仕上げ湯』とも呼ばれており、これは強酸性の草津温泉で湯治をした後、保湿や美肌効果のある四万温泉に滞在するのが定番になっていた事に由来しています。
そして更にこの四万は温泉だけでなく、その周辺も豊かな自然の宝庫として知られています。
それを象徴する言葉が『四万ブルー』。以前、吉永小百合さんが出演していたJR東日本のテレビCMでも紹介されていたのですが、皆さんはこの言葉をご存じでしょうか?
『四万ブルー』とはこの地域にある湖を表した言葉。
中之条町の中心部から国道353号線で四万温泉方面に北上していくと、四万湖(しまこ)という外周5kmほどの小さな湖があります。また更に北上して温泉街を抜けていくと奥四万湖という湖があります。
これらの湖、一度行けば分かると思いますが、絵の具で塗ったかのように湖面が真っ青なのです。
特に3月から5月の雪解け水が流れ込む時期は湖一面が鮮やかなコバルトブルーになり、また太陽光の加減や時間帯などによって微妙に色が変化していくことが知られています。
ずっと眺めていると、まるで絵画の世界に飛び込んだかのような神秘的な感覚になるのです。
しかしなぜこの四万ブルーがこんなにも青いのかは現在諸説あるそうで、正確にはまだ分かっていません。
ただ2003年に東邦大学が発表した研究結果によると、四万湖の水の中には”アロフェン”という火山灰の土壌に多く存在する粒子が含まれているそうで、これに太陽の光が当たると『レイリー散乱』という現象が生じ水面が鮮やかな青色になると言われています。
またこれら2つの湖は日本国内でも有数の透明度を誇っており、ここに光が当たると波長の短い青い光の成分が湖の奥底にまで届くからという説もあるようです。
この青く染まった湖で、春から秋頃にかけてはカヌーやサップ(SUP)を楽しむことができます。
更に秋になると真っ青に染まった湖と辺り一面の紅葉とのコントラスト、冬は一面の雪景色と湖のコントラストを楽しむことができます。私は寒い時期に四万を訪れたことがないのですが、特に紅葉の時期は言葉を失うほどの絶景だと聞いています。
一年を通じて景観を楽しめる四万温泉の自然。是非温泉旅行に行った際には湖の絶景も楽しんでみて下さい。
2025年1月7日
M-wave Evening Express 84.5MHz『上毛かるたはカタル』
KING OF JMK代表理事 渡邉 俊