2021年9月7日放送 - の:登る榛名のキャンプ村


 赤城山、妙義山とともに上毛三山のひとつに数えられる榛名山。

 

古代では何度か噴火を繰り返していたそうなのですが、6世紀以降は落ち着き、現在の山の形になったといわれています。

また1924年に榛名山一帯が県立公園に指定され、更に昭和に入るとキャンプを楽しむ人々の姿が増え、榛名湖周辺に立ち並ぶテントがまるで村のような賑わいだったことからその様子が上毛かるたの『の』の札に描かれました。

また榛名湖はゲンジボタルが生息する日本一標高の高い湖であり、夏になると多くの登山客の目を楽しませてくれます。

 

 

さて、上毛三山が出てくると必ずと言っていいほどネタにされることがあります。

それは、『群馬の運動会は山の名前をチーム名とする』という群馬県民ならばお馴染みの話です。

全国的に運動会は赤組・白組などの色分けが多いですが、なぜか群馬では『赤城団』、『榛名団』、『妙義団』の名前で分ける学校が多く見られます。人数の多い学校では、『浅間団』、『白根団』などが加わることもありますよね。

 

 

これは明治時代、現在の群馬大学教育学部である群馬師範学校が前橋公園で運動会を行った時、公園から上毛三山がよく見渡せたため、それぞれの組に山の名前を付けたことが始まりと言われています。

その後、師範学校を卒業した学生たちが各地の学校に教師として赴任して運動会を行った時、同じように山の名前で組分けを行ったことから県内全域に一気に広まっていった訳です。

 

 

また、更に興味深いのが群馬の学校の校歌。
是非古い記憶を呼び起こしてほしいのですが、皆さんが通っていた学校の校歌に山の名前が出てこなかったでしょうか?

 

実は2013年に、前橋市役所都市計画課の塚田伸也さんという方が論文を発表しているのですが、群馬県内の中学校171校の校歌を収集して歌詞を分析したところ、多くの校歌で山の名前が登場するのだそうです。
中でも上毛三山の出現率は1番多く、最も出現するのは赤城山で91校、榛名山が35校、妙義山は13校。
また歌詞の中でそれらの山と一緒に登場する形容詞を見ると、赤城山は高い強いという言葉が多いのに対し、榛名山は若い清いが多く、更に妙義山はたくましいかたいという言葉が一緒に登場する傾向にあるのだそうです。

一言で上毛三山と言っても、県民が抱いているそれぞれの山のイメージは異なるという訳です。

 

 

 

このように我々群馬県民は小さい頃から知らない間に、山と親しくなるよう刷り込まれています()。あと数か月すると紅葉のシーズンがやってきますね。