群馬の天候の特徴として真っ先に思い浮かぶのが雷と空っ風。
ご存じの通り夏の群馬は全国的に見ても夕立が多く、夕方になると毎日のように雷が鳴り響きます。
また冬になると、シベリア方面から吹き付ける風が日本海側で雪を降らせ、その後太平洋側へと吹き下りてくることで発生します。その為、学生時代に冷たく乾いた強風の中を必死に自転車を漕いで学校へ通っていた方もいるのではないでしょうか?
しかしこの空っ風があったからこそ群馬県特有の文化が生まれました。
特にだるまの生産は何度も色を塗って外で乾かす必要があるのですが、乾いた空っ風にさらすことで効率的に作ることができる為、高崎の地に根付いたと言われています。
そしてこの空っ風は、関東地方の自然にも大きな影響を与えています。
その代表的な存在なのが、埼玉県の加須市にある『志多見(しだみ)砂丘』。皆さんはこの砂丘の存在をご存じでしょうか?
そもそも砂丘と言うと真っ先に思い出すのは鳥取砂丘。
ご存じの通り、この砂丘は海岸に形成されていますが、これは山にあった砂が川の流れよって海へ運ばれ、波や風によって岸へと打ち上げられることで砂丘となります。
このように日本に存在する砂丘のほとんどは海岸に存在しているのですが、志多見砂丘は国内でも例の少ない川沿いに形成された、いわゆる『河畔砂丘』と言われるものです。
この砂丘が形成されるきっかけとなったのは今から約900年前にあたる1108年。
この年、当時から活火山として活動していた浅間山が大噴火を起こし、当時の利根川に大量の噴出物が流れ込みました。
そしてそれらが下流の埼玉県まで運ばれて川岸に堆積し自然堤防が形成されたのですが、その自然堤防に赤城山から吹き下ろしてきた強い空っ風が当たることによって砂が吹き流され、この砂丘が形成されたのです。
このように川に砂丘が形成される例は日本全国を見ても数少なく、志多見砂丘は国内最大規模の河畔砂丘となっています。
ただ実際に行ってみると分かるのですが、志多見砂丘は皆さんが思い描いているような一面砂だらけという景観ではありません。
実はこの辺りの砂は非常に品質が良くてコンクリートなどを作るのに適しており、高度成長期の高速道路建設の為に大量に採取されてしまいました。
また土地開発なども加わった為、昔のままの志多見砂丘の面影を残している場所は少なくなっています。
しかし裏を返せば、空っ風が作った砂が日本各地の高速道路を使われていることになります。このように空っ風は昔から人々の生活に大きく関わって来た訳です。
2025年1月14日
M-wave Evening Express 84.5MHz『上毛かるたはカタル』
KING OF JMK代表理事 渡邉 俊