2024年10月1日放送 - は:花山公園つつじの名所


館林城のすぐ隣に位置する『つつじが岡公園』。

地域の方からは『花山』という名前で親しまれているこの公園付近は、古代から野生のヤマツツジが数多く生えていた土地であり、室町時代には既にこの周辺を『つつじが崎』と呼んでいました。

 

 

また江戸時代になると、歴代の館林城の城主が日本各地のツツジを園内に移植したことでその規模はどんどん拡大していき、城主が交代する際には、役人が園内のツツジ1本1本を数えて記録し新城主に引き継いでいました。

 

 

それだけ当時の館林の人達にとってツツジは娯楽と共に財産であり、また現在も、ツツジが一斉に花を咲かせる春には園内で『つつじまつり』が開催されます。

開催期間中、館林ICから市内にかけては”つつじ渋滞”とも呼ばれる渋滞が起こるほど多くの方々が訪れるのです。

 

 

海外の専門家からも”世界一のツツジの庭園”と言われているつつじが岡公園ですが、実はこの公園の中で注目すべき植物はツツジだけではありません。それ以外のある植物も研究者の間で注目されているのです。

それは何か、皆さんはご存じでしょうか?

 

 

正解は『ハス』。

 

 

 

 

つつじが岡公園には城沼(じょうぬま)という大きな沼があり、夏になると約30万本とも言われるハスが一斉に花を咲かせます。

そしてこの時期に毎年行われている『夏の城沼 花ハスまつり』では、高さ2mもあるハスの葉をかき分けるようにして進んでいく遊覧船クルーズが大人気なのです。

 

 

そしてこれらのハスはツツジとも負けず劣らず、大変貴重なものであることが近年明らかになりました。

2017年、日本国内の研究者たちが城沼のハスの生態について調査を行ったところ、この沼の西半分にあるハスの群落は、1400~3000年くらい前からずっと自生し続けているこの沼の固有種の可能性があるという結果が出たのです。

 

 

ただこのようなハスは他の地域にもあり、埼玉県の行田市に咲いている『行田ハス』や、千葉にある『大賀ハス』なども2000年ほど前に存在していたと言います。

しかし現存するこれらのハスは地層から出土したハスの種や、遺跡から発掘されたハスの実から発芽して花を咲かせたもの。

要するに、種や実が偶然にも保存されていた為に復活できたハスなのですが、それに対して城沼のハスは古代からずっとこの場所で生きていたもの。

 

その為、専門家の中では天然記念物並みの価値があるのではないかと言われているのです。

 

 

ただ、現在も検証は継続中であり、確証は得られていない模様。しかし近いうちに、この城沼のハスがツツジと並ぶ館林の名物になる日が来るのかもしれません。

 

 

 

202410月1日

M-wave Evening Express 84.5MHz『上毛かるたはカタル』

 

 

KING OF JMK代表理事 渡邉 俊