この札は群馬が誇る名湯:草津温泉を詠んだ札です。
観光経済新聞が毎年発表している「にっぽんの温泉100選」では18年連続で第1位を獲得しており、まさに専門家達に選ばれている日本屈指の温泉地です。
さらに温泉の自然湧出量は他の温泉と比べても断トツの日本一、また泉質はpH2.0の強酸性で殺菌力が高く、昔から湯治の湯として多くの方のケガや病気を癒してきました。
古くはヤマトタケルノミコトや源頼朝、徳川家康、武田信玄と言った名だたる人物たちが草津の湯を愛し、また江戸幕府8代将軍:徳川吉宗はその湯をわざわざ江戸まで運ばせていたというのは有名な話です。
さて、そもそもなぜ草津で、これほどまでに良質な温泉がたくさん湧くのかを皆さんはご存知でしょうか?それは草津の近くにある草津白根山の存在が大きく関係しています。
実はこの草津白根山は200万年前にできた古い山なのですが、いまだに火山活動が行われています。
通常火山の寿命は数万年~数十万年と言われていますので、200万年も火山として活動している草津白根山は、言い換えれば『断トツでご長寿ながらも今なお元気!』な火山なのです。
その長い火山活動のおかげで、草津白根山の表面の土は雨水を通しやすくなっており、かつ山の内部には水を通しにくい粘土層が広がっている為、
山に浸透した雨水を粘土層が『防水シート』のような役割を果たすことで、たっぷりの水を地中に蓄えられる構造が自然にできあがっているそうです。
そして、その水が温泉水となって山から下りてくる訳ですが、さらに現在の草津町周辺は『凝塊角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)』という水を通しやすく湧き出やすい地層が広がっている為、草津白根山で作られたたっぷりの温泉水が”草津町周辺だけ”で湧き出るようになっているのです。
まさに長年かけて自然が作り上げた『温泉製造装置』であり、草津町はなるべくしてなった日本屈指の温泉街なのです。
このような自然の恵みが作り出した草津温泉。これまで多くの方を癒し続けてきた訳ですが、これからも我々はこの恵みを大切にしていかなければいけませんね。